2011年10月
2011年10月29日 20:08
■のうりん
著:白鳥士郎(しらとりしろう)
イラスト:切符(きっぷ)
レーベルGA文庫
新人賞でもなんでもない作品。なんかすごく売れていると聞いて、ならばと本屋に行ったらどこにもおいてなかったので、まあ確かに売れていたんでしょうね。自分の本の選考基準はそんなもん。ポリシーもなにもありませんよ。
でまあ中身ですが。そこそこ面白かった。帯に「ガイアが俺にもっと~~」とメンズナックルネタが書かれている通り、よくある2chネタを散りばめたタイプ。その手のパロディに拒否反応が起こる人にはお勧めできないな。
この作品を読んでいて斬新だなと思ったのは、イラストが本文と融合しているところ。
イラストが本文の添付物ではなく、本文と完全に一体化されている。ラノベは元々(作品の人気・評価に対し)イラストの比重が大きいメディアだけど、ここまで文章の一部として融合して扱うのは新しいなと。
それと、後書きに謝辞がいっぱいあったが、作者はこの作品を作るにあたり、そうとう畑作や酪農について取材したようだ。綿密な取材や下調べって、あんまラノベのイメージにないし、そういう意味でも「異色」って感じがする。それにしてもこの作者、どうしてそこまでして「農業」を舞台にした作品を作ろうと思ったんだろう。その辺りの経緯なんかも後書きに書いて欲しい感じ。
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2011年10月23日 19:57
2011年10月22日 19:31
■なれる!SE5 ステップ・バイ・ステップ?カスタマーエンジニア
著:夏海公司(なつみこうじ)
イラスト:Ixy
レーベル:電撃文庫
シリーズも5作目。相変わらず「あるある」で面白い。今回はCE業務の話。毎回テーマを決めて話を作っているけど、流石にもうネタないんじゃないの? って気がするな。今後は特に「構築」だの「提案」といった縛りなしで話を進めるのかな。
本作最大の謎、「室見さんの生い立ち」も少しずつ、本当に少しずつだけど明かされてきている。次巻辺りで一気にまとめに入っちゃうのかもね。
表紙は「また新キャラか!?」と思ったら梢さんだった。梢さんってこんな「キレイなお姉さん」系のキャラだっけ? もっと野暮ったい「田舎娘」ってイメージだったんだけど。
今回一つ引っ掛かったのは、基幹構築やセンター構築の経験もある工兵くんが、「ARP? なにそれ?」みたいなこと言い出したところかな。ARPなんてめっちゃ基本ですやん。読者にARPを説明する為の措置だとはわかっているけど、いつものスーパー社員っぷりを見せつける工兵くんからすると、違和感ありまくり。
逆に共感したのは、実家に帰ったときに両親が自分を全く信じてくれず、工兵が過ちを犯したと決め付けてくるシーン。ここはよくわかるわ。うちの親もそんな感じだもん。過去に前科があるわけでもないのに、こっちの言うことに全く耳を貸さず、自分が悪いことをしたって決め付けてくるんだよな。マンガやドラマだと親ってのは子供を妄信的に信じるってのが当たり前だけど、現実だとそんな事ないんだよね。
そういや後書き読んでわかったけど、この作者現役のSE時代は結構転職を繰り返していたみたいだな。まあこの小説読んでいて、それなりにやり手だったんだろうなと感じていたから意外でもなんでもないんだけど。実績と実力があれば転職してステップアップもしやすい業種なんだけど、そんな作者はなぜラノベ作家なぞやっているのでしょう? そこもちょっと気になるな。
2011年10月16日 22:37
バイクを買う前に乗っていた車は、プロジェクタータイプのHIDでした。まあ、明るいんですよこれが。明るいだけじゃなく、ロービームなのにかなり遠くまで照らしてくれるし。
その明るさを当たり前だと思っていると、バイクのライトはまあ暗いこと暗いこと。つか、そもそも黄色い色が気に食わない。HIDのように、太陽光に近い色温度のバルブに変えれば、この夜間視認の悪さもいくらか改善できるのではないかと。
てことで、PIAAのエクストリーム・フォースというのを買ってみた。2りんかんで5000円。色温度4700Kとの事。たぶん車のHIDが4500K位だったハズだから、まあこの辺りが妥当だろうと。
取り付けはまた例によって困難を極めた。特別技術も知識も要らないんですけどね。普通に+ドライバーがあればOK。なにせズブの素人ですので。ハーネスっていうの? あれが固くて固くて。引き抜くのに苦労した。
大公開。VTRのヘッドライトカバーの中。意外とケーブル類がギッシリ詰まっている。もっとスッカスカだと思っていた。
でまあ、交換してどんなもんか、夜にちょっと試験点灯。
ついでにバルブ交換の折、光軸が思いっきりズレたので、なんとなく感覚で修正。250は車検がないからそんなに神経質に調整しなくてもいいだろうと。
ライト点灯前。
ロービーム。
こっちはハイビーム。
純正品よりは白っぽいけど、HIDほどでは無い気がする。
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2011年10月15日 16:20
著:壱日千次(いちにちせんじ)
イラスト:明星かがよ(あけぼしかがよ)
レーベル:MF文庫
お気に入りのシリーズ第3弾にして完結巻。だらだらと続けるより、スパッと物語をまとめる方がいい、を個人的な信条としている自分だが、3巻で終わりは少し早いような。もう少し八平と香月の物語を見守っていたかった気もする。あんまり人気なかったのかな。
男の娘に目覚めた万石浦が「社会的には死んでも」とタイトルを口にしたとき「アレ?」とは思ったけど、まさか本当に完結してしまうとは。
香月の存在理由も、あんまりにもあんまりで。そこはもうちょい、シリアスな方向に持っていった方がよかったんじゃないかな?
そういや香月(かづき)の名前だけど、口絵では”かげつ”になっている。
一瞬自分が名前を間違って覚えていたのかと焦った。
でも本文ではやっぱり”かづき”とルビ振ってあるし、口絵が間違っているんだよな、これ。